山草集~常識無常~
我京都に至りて、無常なる理を識る。 その様を写真を交えて説く
梅は咲いたか、桜は未だか
梅は蕾だ。
桜は咲いた。
花の解けし梅からは、得も言えん香りのすんなり。
一面をピンクに変える桜と異なり、一面に漂う香りこそが梅の良き様也。
甘き酸い香りを嗅ぎたるうちに、その梅の散る様を思うに実に侘し。
その香りから「うつろひたからじ、うつろひたからじ」と
梅の叫びたる声の聞こゆなり。
秋に改めて紅葉の美しさを見せる桜と異なり、
春にのみ移ろう梅の定めし様、いと侘しき。
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2008年02月21日 |
北山
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北野に雪の降りける
蔀を刳りてやれば、薄らと雪の積りたるを知り
金閣を望みたく覚ひて詣でる。
時の経にければ雪の解けて、
知りたるかげの良し様にはあらざりし。
詣で臨めし事の有難き事を知りながらも、
人の欲のいと浅ましける。
2008年02月03日 |
北山
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常に無常なるを識る
京に至りて識る事は、その美しさにあらず。
常に移ろいけるかげを偲び、
盛りなる様、翳りなる様を臨み、
世の無常なる様を識るのみである。
京の賑わひ常なりにけるが、
その盛りの短さは冬の陽の長さに似たり。
常寂光寺の紅葉の色の移ろいを想ふと、
侘しさの深きをただ識るのみとなる。
そのかげ全て、東山の疎水にかかる虹が如し。
現れては消ゆる定めと知りながら、
消えては見まほし 空の虹かな。
2008年02月02日 |
京都
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プロフィール
Author:山南敬助
京に詣でし折の姿を、文を交えて著す。
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