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梅は咲いたか、桜は未だか

梅は未だか






梅は蕾だ。








桜は咲いた








桜は咲いた。








無論咲きたる梅はある








花の解けし梅からは、得も言えん香りのすんなり。

一面をピンクに変える桜と異なり、一面に漂う香りこそが梅の良き様也。

甘き酸い香りを嗅ぎたるうちに、その梅の散る様を思うに実に侘し。

その香りから「うつろひたからじ、うつろひたからじ」と

梅の叫びたる声の聞こゆなり。





秋に改めて紅葉の美しさを見せる桜と異なり、

春にのみ移ろう梅の定めし様、いと侘しき。
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北野に雪の降りける

積雪の金閣








蔀を刳りてやれば、薄らと雪の積りたるを知り

金閣を望みたく覚ひて詣でる。

時の経にければ雪の解けて、

知りたるかげの良し様にはあらざりし。

詣で臨めし事の有難き事を知りながらも、

人の欲のいと浅ましける。

常に無常なるを識る

マンリョウの咲く苔の野に散る椿





京に至りて識る事は、その美しさにあらず。

常に移ろいけるかげを偲び、

盛りなる様、翳りなる様を臨み、

世の無常なる様を識るのみである。







常寂光寺の紅葉の盛り







京の賑わひ常なりにけるが、

その盛りの短さは冬の陽の長さに似たり。

常寂光寺の紅葉の色の移ろいを想ふと、

侘しさの深きをただ識るのみとなる。












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そのかげ全て、東山の疎水にかかる虹が如し。

現れては消ゆる定めと知りながら、

消えては見まほし 空の虹かな。